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2012.9.22-10.28 京都国際舞台芸術祭 KYOTO EXPERIMENT 2012
2012年09月2日
9月22日より、京都国際舞台芸術祭 KYOTO EXPERIMENT 2012がはじまる。
過去2回のKEXは、若いフェスティバルらしいやり方で、今どきの都市でアートを共有するあり方を探ってきた。特定の国や地域に焦点をあてる異文化理解や、同時代性に縛られた主題から個々の作品を解放したそのプログラムは、上演芸術における表象から知覚へーつまり多様であり得る見え方や聞こえ方へーの関心の移動をビビッドに反映してもいる。という意味でそれは、小規模ながらも上質なカルトグラフィーのコレクションに喩えられるかも知れない。学校で習ったような世界を正しく写し取ろうとしてどっかに歪みを生じてしまう投影法の地図とは違い、例えば地形を人体に見立てたり山脈に背比べさせたりという具合に、世界はこのように見得るというヴィジョンへと誘うからだ。
2012年のプログラムで目をこらしてみたいのは、境界線だ。大人と子供、健常者と障害者、演者と観客、芸術と娯楽、個と集団、歴史と記憶、視覚と聴覚・・・。こういった概念上の対立項は、ちょっと説明を聞いただけで思い浮かぶくらいなじみの思考パターンとなって、現実に人々を分け隔てもする。そういった線引きが、身体、言葉、運動、映像、歌、音響、筋電センサー等々、招待されたアーティスト各々になじみの技法をとおして、強調されたり、綻びたり、ずれたり、あるいは消えてしまったりもするかも知れない。
そんな風に、目の前の現実に対して違った眺めがあり得ることにわくわくする方は、どの作品を選ぶかだけでなく、どの組み合わせで見るかも工夫すると、より楽しいと思います。ひとつひとつがハイブリッドで多面性を持つ作品群は、組み合わせの対照から新たな視点を生み出してゆくはず。作品を一つ体験するごとに、旅行中のように視点が移動してゆくのも、KEXの楽しみの一つ。
逆に、宇宙飛行士の見た光景がどんなに感動的でも、地上の国境はなくならないと考えるリアリストには、リア・ロドリゲス作『ポロロッカ』をぜひ、旅の出発地点に。この作品は、グローバルな格差問題の境界線上に位置し、社会の矛盾が輻輳するブラジルにおいて、社会実践として営まれているダンス集団から生み出されたそうな。タイトルが示唆するように、ふだんは低きへ流れる水が逆流するといったことが、そこでは”リアルに”起こるらしい。
本作をはじめ、さまざまなローカリティに根ざす作品が京都に集まるこの機会は、グローバル市場に飲み込まれたパフォーミング・アーツのネットワークに対する、大海嘯の発端ともなり得るかも知れない。その最初の渦の発生に、たくさんの人と居合わせられますように。
砂連尾理/劇団ティクバ+循環プロジェクト『劇団ティクバ+循環プロジェクト』 元・立誠小学校 講堂
☆9月23日(日)16:30-
フォーラム「身体/障がい/ローカリティ -劇団ティクバ+循環プロジェクトをめぐって」 元・立誠小学校 職員室
9月22日(土・祝)-26日(水)
地点『はだかの王様』 京都芸術センター 講堂
9月22日(土)-10月28日(日)
ビリー・カウィー『Tango de Soledad / The Revery Alone / In the Flesh』 京都芸術センター ギャラリー北・南
9月26日(水)-27日(木)
レイジーブラッド featuring Reykjavík!『The Tickling Death Machine』 METRO
9月27日(木)-30日(日)
杉原邦生/KUNIO KUNIO10『更地』 元・立誠小学校 講堂
10月7日(日)-8日(月・祝)
リア・ロドリゲス『POROROCA』 京都府立府民ホール アルティ
☆10月8日(月・祝)17:30-
レクチャー 「ダンスと社会 -リア・ロドリゲスの実践」 京都府立府民ホール アルティ
10月13日(土)-14日(日)
チョイ・カファイ『“Notion: Dance Fiction” and “Soft Machine”』 京都芸術センター フリースペース
☆10月8日(月・祝)~14日(日) 10:00-20:00
『Soft Machine』映像バージョン展示 京都芸術センター 和室「明倫」
10月19日(金)-21日(日)
高嶺格『ジャパン・シンドローム ~step2 球の内側 』 京都芸術センター 講堂
10月20日(土)
池田亮司『datamatics [ver.2.0]』 京都芸術劇場 春秋座(京都造形芸術大学内)
☆10月21日(日)14:00
アーティスト・トーク「datamaticsをめぐって」 京都芸術劇場 春秋座
10月25日(木)〜28日(日)
ポツドール『夢の城 -Castle of Dreams』 元・立誠小学校 講堂
10月25日(木)〜28日(日)
ASA-CHANG&巡礼『新・アオイロ劇場』 京都芸術センター 講堂
10月26日(金)
関連企画 京都創生座第八回公演『四神記ー神降る都の物語ー』 京都芸術劇場春秋座
☆10月26日(日) [レクチャー]16:00、[舞台裏見学]17:00
レクチャー「舞台芸術の<舞台裏>」(講師:橘市郎[春秋座プロデューサー]) 京都芸術劇場 春秋座
「○○をフィーチャーしたい」「もっとこんなプログラムを」というアイディアのある方、必見!
フリンジ・プログラムの新プランを公募しています。
9月20日(木)締めきり
フリンジ「PLAYdom↗」新プラン・プレゼンテーション応募要項
10月21日(日) 19:30
公開プレゼンテーション@フリンジ「PLAYdom↗」(ゲスト・コメンテーター:伊藤達哉[ゴーチブラザーズ] 、中村 茜[プリコグ] 、杉原邦生) 元・立誠小学校 職員室
過去2回のKEXは、若いフェスティバルらしいやり方で、今どきの都市でアートを共有するあり方を探ってきた。特定の国や地域に焦点をあてる異文化理解や、同時代性に縛られた主題から個々の作品を解放したそのプログラムは、上演芸術における表象から知覚へーつまり多様であり得る見え方や聞こえ方へーの関心の移動をビビッドに反映してもいる。という意味でそれは、小規模ながらも上質なカルトグラフィーのコレクションに喩えられるかも知れない。学校で習ったような世界を正しく写し取ろうとしてどっかに歪みを生じてしまう投影法の地図とは違い、例えば地形を人体に見立てたり山脈に背比べさせたりという具合に、世界はこのように見得るというヴィジョンへと誘うからだ。
2012年のプログラムで目をこらしてみたいのは、境界線だ。大人と子供、健常者と障害者、演者と観客、芸術と娯楽、個と集団、歴史と記憶、視覚と聴覚・・・。こういった概念上の対立項は、ちょっと説明を聞いただけで思い浮かぶくらいなじみの思考パターンとなって、現実に人々を分け隔てもする。そういった線引きが、身体、言葉、運動、映像、歌、音響、筋電センサー等々、招待されたアーティスト各々になじみの技法をとおして、強調されたり、綻びたり、ずれたり、あるいは消えてしまったりもするかも知れない。
そんな風に、目の前の現実に対して違った眺めがあり得ることにわくわくする方は、どの作品を選ぶかだけでなく、どの組み合わせで見るかも工夫すると、より楽しいと思います。ひとつひとつがハイブリッドで多面性を持つ作品群は、組み合わせの対照から新たな視点を生み出してゆくはず。作品を一つ体験するごとに、旅行中のように視点が移動してゆくのも、KEXの楽しみの一つ。
逆に、宇宙飛行士の見た光景がどんなに感動的でも、地上の国境はなくならないと考えるリアリストには、リア・ロドリゲス作『ポロロッカ』をぜひ、旅の出発地点に。この作品は、グローバルな格差問題の境界線上に位置し、社会の矛盾が輻輳するブラジルにおいて、社会実践として営まれているダンス集団から生み出されたそうな。タイトルが示唆するように、ふだんは低きへ流れる水が逆流するといったことが、そこでは”リアルに”起こるらしい。
本作をはじめ、さまざまなローカリティに根ざす作品が京都に集まるこの機会は、グローバル市場に飲み込まれたパフォーミング・アーツのネットワークに対する、大海嘯の発端ともなり得るかも知れない。その最初の渦の発生に、たくさんの人と居合わせられますように。
日時:2012年9月22日(土・祝)~10月28日(日)9月22日(土)-23日(日)
URL: http://kyoto-ex.jp/ ※ dance+の月刊カレンダーでは、すべてのプログラムの開始時刻と終演時間を反映しています。
高嶺格『ジャパン・シンドローム』は上演時間未定につき、仮で終了を1時間後としています。
砂連尾理/劇団ティクバ+循環プロジェクト『劇団ティクバ+循環プロジェクト』 元・立誠小学校 講堂
☆9月23日(日)16:30-
フォーラム「身体/障がい/ローカリティ -劇団ティクバ+循環プロジェクトをめぐって」 元・立誠小学校 職員室
9月22日(土・祝)-26日(水)
地点『はだかの王様』 京都芸術センター 講堂
9月22日(土)-10月28日(日)
ビリー・カウィー『Tango de Soledad / The Revery Alone / In the Flesh』 京都芸術センター ギャラリー北・南
9月26日(水)-27日(木)
レイジーブラッド featuring Reykjavík!『The Tickling Death Machine』 METRO
9月27日(木)-30日(日)
杉原邦生/KUNIO KUNIO10『更地』 元・立誠小学校 講堂
10月7日(日)-8日(月・祝)
リア・ロドリゲス『POROROCA』 京都府立府民ホール アルティ
☆10月8日(月・祝)17:30-
レクチャー 「ダンスと社会 -リア・ロドリゲスの実践」 京都府立府民ホール アルティ
10月13日(土)-14日(日)
チョイ・カファイ『“Notion: Dance Fiction” and “Soft Machine”』 京都芸術センター フリースペース
☆10月8日(月・祝)~14日(日) 10:00-20:00
『Soft Machine』映像バージョン展示 京都芸術センター 和室「明倫」
10月19日(金)-21日(日)
高嶺格『ジャパン・シンドローム ~step2 球の内側 』 京都芸術センター 講堂
10月20日(土)
池田亮司『datamatics [ver.2.0]』 京都芸術劇場 春秋座(京都造形芸術大学内)
☆10月21日(日)14:00
アーティスト・トーク「datamaticsをめぐって」 京都芸術劇場 春秋座
10月25日(木)〜28日(日)
ポツドール『夢の城 -Castle of Dreams』 元・立誠小学校 講堂
10月25日(木)〜28日(日)
ASA-CHANG&巡礼『新・アオイロ劇場』 京都芸術センター 講堂
10月26日(金)
関連企画 京都創生座第八回公演『四神記ー神降る都の物語ー』 京都芸術劇場春秋座
☆10月26日(日) [レクチャー]16:00、[舞台裏見学]17:00
レクチャー「舞台芸術の<舞台裏>」(講師:橘市郎[春秋座プロデューサー]) 京都芸術劇場 春秋座
【ご注目!information】17時以前に開演する全公演、託児サービスがご利用いただけます。 詳しくはコチラ☞KYOTO EXPERIMENT 2012 託児サービスのご案内
「○○をフィーチャーしたい」「もっとこんなプログラムを」というアイディアのある方、必見!
フリンジ・プログラムの新プランを公募しています。
9月20日(木)締めきり
フリンジ「PLAYdom↗」新プラン・プレゼンテーション応募要項
10月21日(日) 19:30
公開プレゼンテーション@フリンジ「PLAYdom↗」(ゲスト・コメンテーター:伊藤達哉[ゴーチブラザーズ] 、中村 茜[プリコグ] 、杉原邦生) 元・立誠小学校 職員室
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