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Lim How Ngean “What Price Your Dance?”              リム・ハオニェン「ダンスと仕事とお金についてのおもろい話とパフォーマンス」

2016年02月14日

俳優やダンサーが舞台の上で行う「表現」を「労働」の層で捉え直す作品が充実してきている。チェルフィッチュの初期作品、村川拓也の『ツァイトゲーバー』『瓦礫』、ルネ・ポレシュのルール三部作、最近では素我螺部の『Sell our body』、ダニエル・コックの『Q&A』・・・。そういえば昨年は、歴史的な先駆例『七つの大罪』が山田うんに再演された。
 断っておくと、テーマが社会問題を扱っているとか、アクチュアルだから注目しているのでは全くない。「活動/仕事/労働」の葛藤が前景化し、背景にグローバル経済が透けて見えることで、パフォーマーの身体/演技に結ぶ像はめちゃくちゃ面白くなったのだ。
 異なる表現・技術の背景を背負った身体が、等しくグローバル市場に組み込まれた劇場で提示される本作もその系譜。いわばダンサーによる当事者研究の成果が、ルーツ、拠点、年齢、セクシュアリティのばらばらな4人のダンサーにより提示される。プレカリアート=フリーランスなダンサーの仕事の悲喜こもごもにとどまらず、グローバル市場に対する批判的な身振りがセールにつながるという皮肉も押さえられている。そして、商品の出自がばらばらなせいで、ダンサーの身体イメージ・演技の複雑さという点で過去に類をみない。
 ゲネプロを見せていただいて思ったのは、4人のダンサーそれぞれのソロがあるのだけれど、カンボジア、マレーシアのダンサーの背景が分節されて見えないということ。例えば川口隆夫さんが「初めてつくった振付」には、ああ、あのころ流行ったあのへんね〜と、90年代京都の風景がばばばっと広がるのに、ポン・ソップヒープさん(カンボジア)と、ナイム・シャラザードさん(マレーシア)のソロは、動きの形態上の特徴は捉えられてもその文化的帰属や意味、いやコンテンポラリーを踊っているのか伝統舞踊なのかの区別さえわからない。その辺、言葉や映像や音楽でもっと補ったほうがわかりやすいのにと一瞬思ってしまったけれど、それがわかったからって、理解/征服した気になるだけではないか。グローバル経済の影響は、こういったまなざしの志向に浸透しているのだからたちが悪い。ハオニェンはきっと、身体表現を記号化する手前にとどめておいて、じっくり観察してほしいのだと思う。さて、本番で何が見えますか。


What Price Your Dance
-ダンスと仕事とお金についてのおもろい話とパフォーマンス

日時:2016年 2月 14日 (日) 15:00、15日 (月)19:30
会場:Art Theater dB 神戸

演出:リム・ハオニェン
出演:ポン・ソップヒープ(Amrita Performing Arts)
   ナイム・シャラザード(ASWARA Dance Company)
   川口隆夫
   砂連尾 理

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