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【暑い夏11】汗
2011年06月28日
C-2 エリック・ラムルー 身体が衝動的に、直感的に反応していく瞬間、エネルギーが混じり合い、交換され、豊かになるいくつもの分岐点を経験します。他者と次々に交差するなかで、その状態、関係性、変化を身体でとらえつつ、個人固有の身体が次の歩みへと向かい、ダンスが生まれていく衝動や過程を探っていきます。
ERIC LAMOUREUX エリック・ラムルー
(フランス/カーン) カーン国立振付センター芸術監督。カンパニー・ファトゥミラムルーをエラ・ファトゥミと共同主宰する。優れた身体能力に裏付けられた大胆なムーブメントと、高い音楽性に支えられたロマンティシズム、そして実験精神に基づいたオリジナリティーの高い振付/美術で、’90年バニョレ振付家コンクールに『ユザイス』でデビューするや、アヴィニヨン演劇祭、リヨンビエンナーレなど一躍注目を浴び、国際的に活躍している。’99年フランス政府派遣アーティストとして関西日仏交流会館に滞在。『芸術祭典・京』(’99)『コーチング・プロジェクト』(’04/京都芸術センター)に作品提供するなど日本にも縁が深い。今秋には日、仏、コンゴ3カ国共同製作作品『just to dance…』を東京にて上演予定。カーン国立振付センター
今年で4回目の受講。 18:30から始まり、だいたい21:30に終わる、3時間弱の長丁場、ハードで、相当なお賑わいクラス。朝から来てる人は、すっかりお疲れ状態。動け身体!!!! 「今年が一番しんどかった。」なんて、毎年言っているかもしれない。しんどかったことなんて、1年経てば忘れますよ。まあ、今年もハードだった。 最初の3日間は、制作室7で行われた。20人あまり人間がいるから、スペースが足りない。ほとんどは、エリック流ワークをやり、クリエイションのための、部品のようなものも少しやった。静かに始まるいつもの時間。徐々に、身体が伸びていき、暖まっていくテンション、空気。エリックの提示とともに、身体のエンジンがかかっていく。昨年も同じようなことを書いたので、こちら(参照リンク)を。 私は、エリックのウォーミングアップが大好きだ。脱力と伸縮、捻転。ある点で、爆発を起こし、意思と身体を置いてきぼりにする。けど、静かに、エネルギーがどこから来てるのか、自分の身体がどこへ向かうのか、見据えとかなきゃいけない。自分の感覚を開いて、身体に集中して、周りの出来事にも集中する。
エリックは、声がでかいし、たくさん喚く。 撮影:庵雅美 「でーっかくっ」 「押せーーーっ」 「力むなーーっ」 「呼吸やーーっ」 「伸びろーーっ」 「腰やーーーっ」 体のどこかが、不要に力が入っていたら、 「(腕、頭、足)を切ってまうどーーっ」 と、喚くし、人のお尻をよく叩くし、子どものように甲高く笑う。いつからか、エリックの言葉が、関西弁に聞こえている。しゃべり方の、勢いというか、ノリが関西弁っぽいと思う。いつもそうなんだけど、喚きすぎるので、初めての受講者とか、女の子は、びっくり、びくびくしていた。ある日、あまりにも喚くので、通訳担当の森さんにたしなめられ、その後は、静かにやっていた。聞くことは聞くんだなと見ていると、そっと近づいてきて、「どや、静かにもでけるやろー」と言ってくる。本当に、面白い人だと思う。かわいいおじさんだ。
クリエイション・ショーイングについて 今年は2つテーマがあり、「腰」と「強靭な黒シート」でした。 ショーイングは、3つのシーンで構成されている。 横一列でずらっと並んでいる。 その中から、数人ずつ出てきて踊る。 全員で、踊る。 各受講者が創った振りを、ばてばてになるまで、代わる代わる踊る。 一人残る。 非常に静かな時間。 エリックの振り付けと、各受講者が振り付けを構成し直したもので、構成されている。振り付けは、両足を広げて立ち、少し重心を低くして、腰を緩めている状態を基本姿勢としている。 そこから、反復横跳びのように移動するもの、腰から動き出すものとで、構成されている。 大騒ぎ。 謎の強靭な黒シートで、引っ張り合ったり、がしゃがしゃ鳴らしたり、ばさばさしたり、テンションをかけて均衡をつくったり、壊したりして、さんざん遊んだ後に、「ほな、いろいろやってみた感覚を元にして、各自で振りを創ろう。」 と、受講者で振り付けを創ったもので構成されている。もちろん、エリックのアドバイスを受けながら、わーわー言われながら、言いながらみんな必死に創った。 ショーイングのために、構成もやらねばならないし、振りも創らなきゃいけない。さながら、本気のリハーサルで、緊張感はあるし、何度も通しをするしで、本当にハードだった。 受講者の女性が一人で、舞台上で立っている。脆弱で、淡い存在。と、エリックお気に入りの音楽。 今年も、ショーイング後にいそいそと片付けに回ったので、見た方の感想をあまり聞けなかった。どうだったんだろう。機会があったらお聞かせいただきたい。 来年も、おっちゃんは来るようなので、楽しみに1年待っていよう。
(参加日:全通し)
辻本佳(つじもと・けい) 三重大学在学中にダンスを始める。「京都の暑い夏」主催オーディションに合格し、’08京都×アンジェ交換研修生制度に参加、’09カーン国立振付センター Company Fattoumi Lamoureux 振付作品『Just to Dance』にて、フランス国内ツアーに出演し、9月には日本での上演を予定している。昨年より、京都に居住を移し、ひっそりと活動中。
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