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【暑い夏15】 E「プラナ バーユ」

2015年07月9日

 呼吸。

生きている限り、止まることのない呼吸。

普段あまり意識しないけど、

考えてみると、呼吸ってすごいなと思う。

 すごく内面的でデリケートな話になってしまうのだが、

僕は昔から心がざわざわすると、呼吸が早くなってしまう癖がある。

だから余計に呼吸について、人より敏感なところがある。

そういう理由で、数年前からヨガに興味を持っている。

撮影:すやまあつし
撮影:すやまあつし

 

 背高のっぽで飄々とした雰囲気のマタン。

彼のクラスで受けたヨガは特別だった。

 

 正直ヨガ自体ははじめてではなかったので、

まぁそんなには変わらないだろうと、心のどこかで高を括っていたのだと思う。

でも、しょっぱなから、もう「はい、ごめんなさい」と謝りたくなった。

 

 マタンのワークは、真言(マントラ)からはじまり、心を落ち着かせていく。

発声することにより、心が「無」になり、静かな気持ちになっていく。

さっきまで頭の中でいろいろごちゃごちゃと考えていた事柄から、

ふっと離れ、頭の中がすごくクリアになる。

 

 そこから、自分の体の各パーツへフォーカシングしていく。

(意識を集中させて、自分の体の感覚一つ一つに向き合う。)

そして、自分の重心を感じたりしながら、アーサナ(ポーズ)に入っていく。

 

 彼から発せられる言葉は、瑞々しく、僕の心体の隅々まで染み込む。

ダウンドッグや戦士のポーズは、今までにも何回もしたことのある

アーサナなのに、全く感じ方が違った。

日頃ヨガをするときは、単にポーズを取る程度でそんなに大地に向けての

意識を感じることはなかったのだが、

今回ペアを組んだり、3人ひと組でワークをしたことにより

大地からのエネルギーを感じ、地球とつながっているような感覚になった。



 

  “プラナ・ヴァーユ”

マタンが言った、この言葉ははじめて聞く言葉だった。

人体には5つあるヴァーユのうちの1つで

みぞおちにあり、呼吸を司るものらしい。

(そして、マタン曰く、「I love Prana Vayu!」らしい。)

プラナ・ヴァーユはとても重要なヴァーユで、

特にはじめに学ぶことによって、

他のヴァーユも効果的に学ぶことができるということだった。

 

 このプラナ・ヴァーユが僕は何故か特に気になった。

アフタートークで、このプラナ・ヴァーユの話題があり、

さらに興味深く感じた。

マタンのワークショップを以前受けた生徒の方が

このプラナ・ヴァーユを意識して呼吸することで

自分自身を含む周囲の人々にも影響を与え、

周りの雰囲気が以前と比べ物にならないくらいに良いほうに

変わったということだった。

 

 

 この話はとても興味深く、ワークショップの最後に感じた

「みんなと繋がることができた」という感覚にも似ていて

不思議な体験のように感じた。

 これからもマタンの言葉を思い出して、

プラナ・ヴァーユを意識して呼吸できるようになりたい。

matanマタン・エシュカー (イスラエル/テルアビブ)MATAN ESHKAR

ヨガ指導者。アムステルダムの DNA(Dance New Amsterdam)や New York Yoga にて講師として活躍。現在はイスラエルで、インバル・ピント・ダンス カ ン パ ニ ー や 、 バ ット シ ェ バ な ど の プ ロ フ ェ ッ ショナル・ダンサーへの指導を行う他、ADF- アメ リカンダンスフェスや SEAD- サルツブルグ・エク スペリメンタル・アカデミーなど国際的に活躍し ている。彼のヨガは古くからあるヨガの知恵を現代 生 活 に 適 応 する言 語 に 置 き換えた 革 新 的で 独 創 的なもので、ヨガ指導者のための教育や、ダンスや スポーツでの負傷や再訓練、痛みのケアなどに特 化したクリニックも行っている。(KIDFホームページより)

IMG_1905すやまあつし(すやま・あつし)

好奇心旺盛な小心者。動物占いは子鹿。

サーフィンとスケボーとピアノが好き。

ライターの端くれ。

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