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伴戸千雅子「母ちゃんと赤ちゃんのカラダ学 第4回」

2009年12月20日

「なんちゃってアフリカン@カフェミュレット」


 11月15日晴れ。朝10時、京都の静原にあるベジタリアンレストラン、カフェミュレットに到着。ミュレットの横の小川沿いの小道を進むと、大きな木のある原っぱに出る。木の上ではかわいいツリーハウスを建設中だ。「今日はここでワークショップやるんです。ドカドカやりますけど、よろしくお願いします」と作業中の男性に挨拶すると、「どーぞ、どーぞ」と答えてくれた。そこへ京都で活動するジャンベグループ、ナベガンチがバンで登場。総勢7人があわただしく楽器の準備を始める。ミュレットのお母さんが「火を焚こう」と新聞や枯れ木を持ってきてくれた。焚き火!とテンションがあがる。
 イベントを企画してくれた西山さん(前回のインタビューで登場)が子ども2人と荷物を抱え、ニコニコやってきた。10時半には子どもを連れたお母さんやお父さん10数組が集まり、ワークショップが始まった。

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 「なんちゃってアフリカン」は京都でお母さんたちと月1回やっているワークショップ(私がナビゲーターを務めさせていただいております)。11月は15日と26日に、カフェミュレットの奥にある原っぱで開催することになった。身体を動かした後、ミュレットのおいしいご飯を食べるという、素敵な企画。
 11月だというのに両日共とても暖かく、「なんちゃってアフリカン」の目標である「汗をかくこと」も、参加者みんな軽くクリア。野外でこんな風に人目も気にせず、木や山を見ながら踊れるなんて、本当に贅沢。自然に心も身体も開放される。「感謝」なんてキャラではない私も、こんないい時間を与えてくれたみんなに、場所に、お天気に、感謝感謝でいっぱいになったのでした。

 ところで、ご存知の方はご存知かもしれませんが、私は舞踏ダンサーであります。舞踏なんだかよう分からんような踊りをしてますが、ともかく舞踏をベースに踊っている私がいつの間に「アフリカン」を習得したのか、と申しますと・・・。
 ことの起こりは私が出産後初めて企画した「おっぱいデー」というイベントにあります。その頃は子どもを出産して、ひたすらおっぱいをあげる毎日。退屈なこともありましたが、おっぱいのみで子どもが育っていくことにとても感心しておりました。つまり、私はなんら経済的な活動をしていないけど、私の身体は日々おっぱいを製造しており、そのおっぱいで人を養っている。すごい! という訳です。
 しかし、そのおっぱいも一昔前は「栄養価の高い粉ミルクを使いましょう」という企業などの宣伝によって、粉ミルクよりも劣るものと見られていたこともあります。現に私の母親もそういう世代で、「おっぱいだけで大丈夫か?」としきりに言っておりました。そういう不安に丁寧に答えてくださる助産師さん。
2009.10NY-039 「なんか、おっぱいからでもいろんな世界が見えるなあ。じゃ、これをイベントにしよう」と思い立ったのです。助産師さんの「おっぱいの話」、阿部ひろえさんやAUXにライブもしてもらいましたが、メインは一斉授乳。平和を願って、参加者みんなで授乳をするのです。男性や子どものいない人には、特製おっぱい型マフラーを製作して、気分を味わっていただきました。
 「平和を願って」なんて大層に聞こえますが、要するに、私はほこほこ家の中で安心しておっぱいをあげて、子どもの満足な顔を見られるけど、世の中にはそうじゃない状況のところが一杯ある。戦争をしている所では、安心なんて出来ないし、お母さんがストレスでおっぱいが出なくなることもあるだろう。おっぱい(授乳)という平和な行為をすることで平和を願いたいと思ったのです。
 そして、一斉授乳の前に、おいしいおっぱいが出るようにストレッチをしました。それが「なんちゃってアフリカン」。おっぱいをあげている時期は、搾られるような感じで、背中やら肩がキーンと痛くなります。硬くなった身体をほぐすストレッチをやっていると、それが何となくアフリカンな動き(私の思う)になって、アフリカン音楽をかけてやると、また気分がのって・・・。それをイベントで紹介したら、前述の西山さんが気に入ってくれて、月1回くらいでやることになったという次第です。
2009.10NY-095  当初は「なんちゃってとはいえ、アフリカンダンスを習ったことない私が、ええんかなあ」と思っていたところもあるのですが、続けるうちに、このワークショップの目的はアフリカンダンスを習得するということではなく、アフリカンダンスと音楽の力をかりて、カラダをほぐし、外に向かって表現して、心とカラダを開放していくことなんだなあと思い至りました。思い至ったというより、参加者のみなさんに教えてもらっている感じです。
 アフリカンダンスをちゃんと習ったことなくても、音楽を聞いたら踊りたくなっちゃうもんね。「なんちゃって」はそこが大事なとこです。
ともかく、アフリカンな音楽をかけて、アフリカンな気分でカラダをほぐし、揺らし、ダンスする。目標は「汗をかくこと」。子連れ参加OK、助け合って自主保育。お母さんは赤ちゃんを抱っこしながら踊ったり、おっぱいをやったり。チョコチョコ歩きの子どもはお母さんの足元で泣いたり、転んだり。今回のイベントではもう少し大きい子どもたちが参加してくれて、楽器を触ったり、踊りを考えたりしてくれました。そういうごちゃごちゃ感が、何とも言えずうれしくなります。ダンスっていいなあ、なんて。

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 ワークショップの後、参加者の方が「久しぶりにすっきりしました。ありがとうございました!」と言ってくださいましたが、お礼を言うのは私の方で。企画を考えてくれた西山さんや参加してくたみなさんや、場所を提供してくれたミュレットさんや、ナベガンチさんや、みんなみんなありがとう、というハッピーな話でした。

(つづく)

「母ちゃんと赤ちゃんのカラダ学」バックナンバーはこちら

伴戸千雅子(ばんど・ちかこ)
ダンスグループ花嵐のメンバー。ダンサー・振付家。一児の母として子育てにアタフタしつつ、子連れ参加のワークショップ「なんちゃってアフリカン」(京都)、「カラダとココロのストレッチ」(高槻)をやっている。2010年1月28日、新春一回目の「なんちゃって」はバリダンサーの大西由希子さんを迎えて、「なんちゃってバリダンス」を開催します。3月ごろには大阪でも「なんちゃってアフリカン」をやる話も出ていて、楽しみです。
http://baab.cocolog-nifty.com/blog/

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