point of view

ブリスベン・フェスティバル フォトレポート(前編)

2009年11月15日

「そうですね、2年に1度くらいは海外の大型フェスティバルへ出かけてですね、ほんのひととき俗世を忘れ、あの熱にうかされて過ごしたい。じゃないと死んじゃう」と、ひとりつぶやいたぼくは、前回のエジンバラ・フェスティバル&ダンス・アンブレラ放浪(2007年)から2年経つ今年、1週間ほどの有給休暇を取得して、オーストラリアはブリスベンへと向かったのでした。

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なぜブリスベンだったのか。それはたんに休暇を取れる期間にタイミングよく開催していたからというのがそもそもの理由です。フェスティバルといっても様々で、どこのフェスティバルに行くかというのは楽しくも悩ましい問題です。前回のエジンバラは名実ともに世界最大のパフォーミングアーツフェスティバルで、それはもう街全体が熱狂に包まれます。まさに地域を巻き込んだお祭りです。一方で、国内外から注目作品が集まって、たしかにフェスティバルではありますが、なんか淡々としてるなーというのもあります。まあそのあたりはフェスティバルのコンセプトや、財政状況などもあるでしょうから、あまり突っ込むのは野暮なのかもしれません。

とはいえ、やっぱりフェスティバルを名乗るからには…、という気持ちはあります。そういえば2006年のダンストリエンナーレTOKYOで世界各国のフェスティバルディレクターが集まるフォーラムが開催されました。それを聴いて、ちょうどそのような事を個人ブログに書いていたので引用で済まさせてください(汗)。

フェスティバルというものはどうあるべきか?みたいな話がありました。いろいろな機能があるとは思いますが、わたしはフェスティバルというのは、通行人を巻き込むこと、というのが重要であると思います。祭りですからね。あ、なんかやってる~って通行人が、気になってふらふら寄ってくる。そういう感じが必要でしょう。  (コンテンポラリーダンス目撃帖より)



というわけで、ぼく自身はそういう目線でフェスティバルを楽しみ、それをレポートしていきたいと思います。

しかしなんの因果か、上に引用したリンク先をちょっと下にスクロールしたら、ストリップショーのレポが出てきてビックリしました。今回のブリスベンでも地元のストリップクラブに潜入してきたので追ってご報告いたします。こうして、フェス本体のプログラムだけではなくて、その街自体を楽しむこともまた大きな醍醐味です。

さて、フォトレポートというオーダーだったのに文章が続いてしまいました。以降、写真にコメントという体裁でお気軽にフェスティバルと街の雰囲気を紹介してゆきます。編集部では、このような形で広く一般からの投稿を募ろうと企画しています。世界のいろんなフェスティバルのレポートが集められたらいいなと思っています。詳細はまた追って告知させていただきます。


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2009年のブリスベンフェスティバルは9月12日~10月3日の約半月に渡り開催されました。期間中は、音楽、演劇、ダンス、コメディ、サーカスなどを中心に毎日イベントが開催されます。また、花火やバーベキュー大会などのお楽しみイベントも多くプログラムされています。


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ブリスベンはオーストラリア第三の都市。とはいえ日本の地方都市ぐらいのコンパクトな街で、歩いて各所イベント会場にアクセス可能です。写真はブリスベンの中心にあるショッピング街。アジア系の人々も多く多国籍な街です。季節はちょうど日本と反対ですが、日本は秋でオーストラリアは春。気温や日差し的には、この時季どちらもそんなに変わりません。


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ブリスベンリバーという川が街を貫いています。リバーサイドに巨大なパフォーミングアーツセンター(を含め図書館、美術館なども)が建っていて、まわりは市民の憩いの場になっています。また、川に架かるさまざまな橋がブリスベンのランドマークになっています。これは、のちほどじっくり(ニヤリ)。


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期間中通いつめた会場がこのテント小屋。実は今回のお目当てです。音楽ライブを中心に毎晩イベントが開かれています。スピーゲルテントという名の移動式テントで、世界中に8基しか現存していない貴重なテントです。


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スピーゲルテントは、19世紀末のベルギーでつくられたテントです。現存するテントはどこぞのイベントプロモーターの手により、世界各地のフェスティバルに忽然と姿を現したかと思うと、またどこかへ去っていくそうです。


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お昼に撮影したスピーゲルテント内部です。温かみのある木造りの内装に、鏡とステンドグラスに彩られた光が満たされています。実はこのスピーゲルテント、一昨年のエジンバラ・フェスティバルで初めて体験してぼくも虜になりました。


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夜のスピーゲルテントです。午後7時と9時からの2回、さまざまなプログラムが組まれており、さらに午後10時をすぎるとフリーライブの時間になったりします。写真はだいぶ深夜のまったりモード。ぼくが観たショーではカンパニー・オブ・ストレンジャーという、ストレンジなキャバレーシンガー5名によるショーがなんとも惹きつけられました。


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変わってコチラ、もうひとつのテント興行。「カーニバルズエッジ」という名称で、リバーサイドの広場に出現していました。こちらでは、サーカスやバーレスクショー、コメディショーなどを中心にプログラムされています。なにかぼくらが子供の頃の遊園地の記憶に似ている風景です。露店も出てお祭りムードです。

―――いつもの闇に包まれた広場が、ひとときだけ蠱惑的な光を発して人々を誘惑する。吸い寄せられるように集まった人々を幻惑する見世物たち。どこからともなく現れるテント興行が、この街にフェスティバルの魔力を拡散してゆく。

先にふれた「通行人を巻き込むこと」という役目を、こうしたテント興行が担っているようです。


さて後編では、ダンスの公演や、フリンジ公演(若手や実験的な作品を集めたプログラム)、ストリートでのパフォーマンス、地元のストリップクラブ、目を見張る橋梁の数々などをお送りしたいと思います。


後編へつづく


松村政宏(まつむら・まさひろ)
dance+運営メンバー。ブログ 『コンテンポラリーダンス目撃帖』 運営→最近更新できてません。京都芸術センター広報誌「明倫art」にも隔月でダンスレビューを書かせていただいています。そして勤め人。ウェブサービスのプランナーです。最近はアコーディオン特訓中。
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