2009年08月3日

photo: Ali Morimoto
photo: Ali Morimoto

日本三大盆踊りのひとつである阿波踊りは、観光客用に年間を通して阿波踊り会館などで鑑賞できる踊りではありますが、なんといってもストリートで観てこそ、一緒になって踊る阿呆になってこそ。美しい女踊り、豪快で愉快な男踊りの伝統的な基本型は、誰でもすぐに覚えられるものです。期間中はそれぞれ「連」と呼ばれるグループごとに市内を練り歩いたり、通りで輪になったりして踊り続けます。それぞれの連にお付きの音楽隊の生音で踊るということも、他の様々な盆踊りと一線を画すところでしょう。老若男女いりまじって繰り広げられ、まさに街中が踊り狂う4日間は、徳島県民のまるで蝉の一生のような県民性を見せつけられます。私は阿波踊りで初めて「老若男女」という言葉の意味を理解しました……。

22時に商店街が消灯し、それまで交通規制がかけられていた道路に車がなだれ込み、パトカーが「もう終わりです。帰ってください」と盛んに呼びかける中でも、音は鳴り止みません。みな明るいスペースを見つけては集まってきて、それまで連内で統制のとれていた踊りもフォーメーションも、どんどん壊れていきます。この時間帯は、うちわ片手の観光客も乱入しはじめ、そのたどたどしかった踊りすら迫力を増し、いつまでもちんちんと鳴り続ける鳴り物の音と共に夜が更けていきます。

徳島へは、JR神戸線・舞子駅徒歩すぐの高速バス乗り場からほんの1時間で着いてしまう、関西圏からも充分日帰りできる距離です。徳島名物フィッシュカツとビール片手に、蒸し暑い人ごみの中を歩き回り見て回っているうちに、酔い酔いの夜更けにはあなたも踊る阿呆の仲間入り。(dance+編集 / 森本万紀子)




photo: Makiko Morimoto
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photo: Makiko Morimoto
photo: Makiko Morimoto

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日時 2009年8月12日(水)〜15日(土)
場所 徳島市内
URL http://www.awaodori.net/
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