2009年06月26日

D-1(コンタクト/パートナリング) 森裕子 コンタクト基礎講座。 様々な個性を持った「他者の身体」を聴き、身体が生み出すムーブメントを通じて理解を深めていくことを重視します。ここではいわゆるダンステクニックは必要ありません。「他者」とふれる中で、身体のセンセーション、相互の身体をリスペクトすること、そしていかにコミュニケーションをとっていくかということに焦点をあてていきます。五感、六感総動員でトライ!!( ダンス未経験者も参加できます。)



prof_yuko森裕子 (Japan/Kyoto 日本/京都)
ダンサー・振付家。’93~’98年までMATOMA France-Japonに参加しアヴィニョン演劇祭など数多くの国際的舞台に立つ。現在はMonochrome Circus のメンバーとして国内・国外へのツアーに参加。各地でコンタクト・インプロヴィゼーションや「身体への気づき」のワークシッョプを多数行う。踊ることの根源的な「楽しさ」を伝えたいと願っている。
気が付くとワークが始まっていた。いつ始まったの? 円になってとなりの人の足を揉む。抵抗する前に、もうすでに揉まれているし、揉んでいる。人の体に触れる抵抗感がないことに驚く。

自己紹介。名前を言って行く。呼んで欲しい名前を言う。次に、名前を言うのと同時に動作を入れる。グリコのポーズをする人、ロダンの「考える人」をやる人、3回くらいやっていくと、それぞれの雰囲気、特徴があるのが分かってくる。思いっきり自己主張したがる人。体を少しだけ使って可愛いさを醸し出す人。

2グループに分かれて、向かい合う。20人強のクラスだから、10人強×10人強くらい。片方のグループ、誰かひとり前に出る。誰かが出たら別のグループもひとり出る。出る人は決まっていない。でも、必ず誰かでなくてはいけない。みんなの見ている前で、出会い頭に即興で、その時感じたままにパフォーマンスする。手を取り合って、社交ダンスのようなことをしているペアがいる。寝転がってぐるぐる回っているペアもいる。僕はというと、抱きつかれた。この出会い頭の即興。段々と、難易度を増して行く。ひとりずつ出て行っていたのが、2人になり、3人になり。同時に出る人が増える。増えると、出ても気づいてもらえないこともある。それを避けるために、意識を広く持つ。更なるバージョンアップ。2グループだったのが4グループに。5人ずつに分かれて四角形を作る。そして、対辺の人と同じワーク。10人の時と比べて、5人だから他の人に任せようかなって訳にはいかない。しかも別の対辺の人とぶつかるから、混乱状態になる。剣道の試合を、2組同時に同じ空間でやったらこんな感じになるのかなって思う。犬になってお互い吼え合っているペアがいる。片方が手で大きく円を書き、もう片方が真似している。相手をよく見ていないと、感じようとしないと難しいワーク。形が決まっている訳ではない。相手と向き合って、相手を感じて。受身じゃなくて。そして、更に更にバージョンアップ。厄介なことにその四角形が動き始めた。形を崩さないように。向き合っている相手のことだけ見ていると、四角形から追い出されてしまう。大声あげて喚いている人がいた。僕は再度、抱きつかれた。

美人2人から抱きつかれたのはニヤニヤものだが、その時は、じゃあどうパフォーマンスしようかと、すごく心が平静だったのが不思議。この暑い夏を通して感じたのが、他人の体に対する恐怖感をあまり感じなかったこと。別の日に、目をつぶって床を動くワークがあったが、他人の体に触れたとき、自分自身の心に抵抗感がなかった。相手もそうなのだろうか。相手の体が、余りにも優しいのが印象的だった。「暑い夏」自体、始めてだったし、どういうことをやるのか、自分にはできるのか不安だった。参加する前に、去年のレポートを読んで更に思った。自分にできるのか。でも、いつの間にか始まっていた。その「いつのまにか」が、体の力を抜いてくれた。オープニングがあまりにも自然だったこと。「暑い夏」は全体を通してすごく楽しかったが、その楽しさの始まりが、この自然な「オープニング」にあったように思う。

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Photo by K. Hanako
たかた ゆうすけ オープンな時はかなりオープンだけど、こもる時はこもってしまう気分屋。ダンスは半年前から。やっていて、「こもるな」と一喝されたことに覚醒。こもっているって分かるんやと。最近は、「パフォーマンスするー見る」の関係に興味を持っている。コンテンポラリーダンスの嘘のつけなさに惹かれる。
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