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【暑い夏16】他者の視点で追体験する 1

2016年09月28日

フェスティバルに参加するたびに、私の中からいろいろな言葉が溢れてきます。ですが今 年は「ドキュメントを書くこと」を意識してしまい、気が付くとすべてを言葉で追ってし まい、自分の内側からはなにも湧いてきません。そこで、他の人がフェスティバルでの体 験をどう捉えているか、インタビューしてみようと思い立ちました。クラス後の空き時間 や隣にいた人などに声を掛け、私のこの思いつきのインタビューに、4人の受講生が協力 してくれました。この他者の視点でフェスを追体験するという試みは、私の想像を超え て、フェスティバルで学んだことへの気づきや、受講生への興味、そしてダンスへの興味 へと広がって行きました。

 4人の方には、①普段は何をされていますか②どういう経緯で参加されましたか③ダン スとの出会い④フェスで得たもの⑤今後のダンスとの付き合い方、という質問でお話を伺 いました。

<身体で起こっていることへ意識を向ける>

 一人目は小野詩織さん。フランチェスコのクラスの後、隣に座っていた小野さんに、何 気なく声を掛けたことから私のインタビューはスタートしました。 小野さんは日本女子体育大学の舞踊学専攻出身。普段は、宮城県仙台市で特別支援学校 の職員をしているそうです。三年前にもフェスティバルに参加し、また来たいと思ってい たそうで、今回は大学在学当時に知り合ったダンサーのじゅんじゅんさんの推薦で、スカ ラーシップ制度を利用しての参加だそうです。ダンスとの出会いは幼稚園の時、週一回市 民プールの集いで行われていたクラッシックバレエの教室。親の勧めとはいえもともと身 体を動かすのが好きだった彼女は、その後も、小・中・高校と元劇団四季出身の先生のも とでミュージカルを習っていたそうですが、歌や芝居を練習していた中でも、ダンスが一 番自分を出せる、とその頃思ったそうです。

撮影:菱川裕子
撮影:菱川裕子

 フランチェスコのクラスと、トムのクラスを受講していた小野さん。受講してみての感 想を伺うと、どちらのクラスもともに、自分の体の繊細なところ、繊細な感覚を再認識さ せるものだったようです。例えばフランチェスコのクラスでは、床からの力を受けてそれ がどう身体を通っていくのか、身体を流れてくる動きにもっと意識を向けようというよう なワークを行っていましたが、講師の言葉を通して、そういった無視してしまいがちな繊 細な部分を意識すること、見た目や形を追うより、自分の身体の中で起こっていることに もっと意識を向けよう、と思ったそうです。

 仙台といえば、せんだいメディアテークや10Box といった劇場を思い起こしますが、 もっぱら演劇のほうが盛んで、ダンスの公演をするならここ、という場所 は まだないそう です。小野さんは、自分が踊ることで仙台のダンスを盛んにしていきたい、と語ってくれ ました。どちらのクラスもともにハードでしたが、果敢に力強く踊っている小野さんの姿 が印象的でした。

prof_francesco フランチェスコ・スカベッタ (ノルウェー/オスロ)FRANCESCO SCAVETTA IMPULSTANZ(オー ストリア)や、P.A.R.T.S(ベ ル ギー)、MTD(オランダ)SEAD(オーストリア)など、 主要なフェスティバル、大学、ダンス機関等で引っ 張 り だ こ の カ ッ テ ィ ン グ・エ ッ ジ な 振 付 家 。ノ ル ウェーとスウェーデンを拠点にダンスカンパニー Weeを率い、これまで27カ国をツアーしノル ウ ェーを代表するカンパニーとなる。ヴェネチア・ ビ エ ン ナ ー レ で 初 演 さ れ た ミク スト メ デ ィア 作 品『Live』から、抽象的で即興的な『Surprised Body Project』まで幅広い作品群を誇る。そのムーヴメン トは、リリーシング・テクニックやコンタクト・イン プ ロヴィゼー ション、そして 太 極 拳 などを バック ボーンに独自の言語を開発している。

Vitlycke ‒ Centre for performing arts(スウェーデ ン)芸術監督。(KIDFホームページより)

菱川 裕子(ひしかわ・ゆうこ)大阪府出身。ダンスは踊れません。「京都国際ダンスワークショップフェスティバル」 に参加するようになったきっかけは、Monochrome Circusのワークショップ「Dance in building」に、ダンス経験者でなくても参加できますということで飛び込んだのが始まり。 踊れやしないのですが踊りたいので、最近はコンテンポラリーダンスやバレエ、ヨガなど の教室に通って地味に頑張っています。踊っている人を観るのが好きです。

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