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【暑い夏15】 E「身体の内側をイメージする」

2015年07月1日

 ビギナークラスでは各回、クラス終了後に30分ほどのアフタートークの時間がある。その場にいた人同士がワークを通しての気づきや疑問を対話していく。対話をすることを通しての新たな気づきがあり、また他の参加者がどのような体感や疑問、発見があったのかを共有することも出来るので、私はこのアフタートークの機会を楽しみにしている。

 今回のマタンさんのクラスのアフタートークの中で、「クラスが終わって、動きを止めて静かになった時に自分自身になれた」というような言葉を聞いて、そうそう、その感じがよくわかる瞬間が私にもあるな…と思った。

 

 ワークが終わり床に寝転んだ状態で静かに目を閉じていると、身体の内部がゆっくりと動いている心地がして、それが気持ちよく、しばらく動かずに寝転がり続けていたいと思った。その感覚が、何から生まれたのかは確かではないが、自分の呼吸や血の巡りの変化なのか、皮膚が空気や床に触れた質感や温度の違いからなのか、縮まっていた身体が伸びたからなのか。もしくは、そういった様々な状況を身体に体験させた結果、そう感じたのかもしれない。

 マタンさんのクラスは「重力を感じる」「自分の身体の重さに意識的になる」「からだの中で起こっていることをイメージする」「みぞおちの周辺に空気やエネルギーが流れていることを感じる」というような体験を通してワークの中での身体の動き、また他者や空間との関わり、そしてイメージをすることに「自らを学ぶ」ことに結びつく経験だったように思える。

 また、参加者全員が同じ目的を共有し、ワークを行っていても、個人の身体を通ると個別的な経験になっていく。アフタートークでは「重心が2センチ下がったような気がする」「かかとでしっかり立てるようになった」という個別の体験の話になった。

 

 何も動いていない状態の自分の身体の中で起こっている変化をイメージすること。それは繊細で豊かな時間だった。動きのある時間も呼吸をすること微笑むことといった、ささやかな動きにもまなざしを向けてみることでより繊細な変化にふと気がつく瞬間が生まれたような気がする。

  最後に、このクラスを通して体感した身体のイメージをドローイングに残した。クラスが終わってその日のうちにイメージしたことを忘れないようにとメモしておいたものである。私がワークを通して得た個人的な体験やイメージの記録になっている。



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matanマタン・エシュカー (イスラエル/テルアビブ)MATAN ESHKAR
ヨガ指導者。アムステルダムの DNA(Dance New優れ Amsterdam)や New York Yoga にて講師として活躍。現在はイスラエルで、インバル・ピント・ダンス カ ン パ ニ ー や 、 バ ット シ ェ バ な ど の プ ロ フ ェ ッ ショナル・ダンサーへの指導を行う他、ADF- アメ リカンダンスフェスや SEAD- サルツブルグ・エク スペリメンタル・アカデミーなど国際的に活躍し ている。彼のヨガは古くからあるヨガの知恵を現代 生 活 に 適 応 する言 語 に 置 き換えた 革 新 的で 独 創 的なもので、ヨガ指導者のための教育や、ダンスや スポーツでの負傷や再訓練、痛みのケアなどに特 化したクリニックも行っている。(KIDFホームページより)

2015prf_nakagawa中川佐和子(なかがわ・さわこ)1990年生。手にしたものをすぐ口に運ぶ幼少時代を経て、本番に自分がいなくても成り立つことを理由に絵画を描きはじる。ダンスは「なんとなくできそう」とCIMJのチラシを見て参加しはじめた。最近は、集団や教育することと個人の身体との関係が気になる。

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