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大藪もも「もものフランス記 第1回」

2009年04月1日

「やっとCaenに着いたけど……」

 カーン(Caen)はパリから特急で1時間半ほど、フランス北西部ノルマンディー地方にある街です。街は石造りのお城を中心にゆっくりと歩いて回れる範囲にスーパーやデパート、公官庁舎が立ち並んでいます。ぐるっと歩ける範囲に何でもあるコンパクトな街並みは、方向音痴の私にはありがたい街でした。今回、私がお世話になったのはCCNCことカーン国立振付センター(Centre Choregraphique National de Caen)です。昨年の暑い夏で出合ったエリック・ラムルーと彼のパートナーであるエラ・ファトミが芸術監督をつとめています。街の少し南にCCNCの劇場Hall Aux Granges(以下、HAG)があり、私も滞在していたレジデンスが2つ、オフィスが1つ街の中心近くにあります。

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街中にあるフェスティバルの看板

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街の中心にそびえるカーン城

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サン・ラザール駅

 ちょっとカーンに着い たその日のことについてお話しておきましょう。パリからカーンへと向かうサン・ラザール駅では、切符の買い方やら、どこのホームから出 発するのやらがわからず、あたふた。見知らぬ人にいっぱい助けられながら、やっとの思いでカーンに到着。受け入れを担当してくれていたレジスが駅まで迎えに来てくれるはずだったのですが、顔も知らないという有様。キョロキョロしていたら、でっかいおじさんが「MOMO?」と声をかけてきたので「Yes」と 応えてこのおじさんについていくことになりました。我ながら適当だなと思います。後でわかるのですが、このおじさんはホールマスターのフィリップなのでした。おじさんは全く英語が通じない人だったので、車内は鼻歌でやり過ごすことに。そしてオフィスで念願のレジスと対面できたのですが……。

 私的にはレジスは同年代の学生ボランティアみたいな人だろうと予想して、土産に動くカピバラさんを購入していました。ところが予想に反して、彼は総合制作 という偉い人なのでした。しかもオフィスはとっても爽やか立派で、3つある部屋にはそれぞれ2、3台の机が並び、皆さん忙しそうにお仕事中です。後で頂い た資料を見てみると、舞台制作、渉外担当、経理、秘書、ホールマスターと6、7人ほどの名前がスタッフとしてあがっていました。まさに組織立ったオフィスなのです。もうちょっとちっちゃい感じの場所を連想していた私は、いったい今日から3週間もの間、ここで何をするんやろうと……、到着しょっぱな から打ちのめされたのでした。ちなみに私、フランス語はボンジュールとメルシーくらいしか話せません。そしてオフィスの人々はほとんど英語が話せないのでした。波乱の幕開けです。

(つづく)


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緑の扉がオフィスへの入り口

大籔もも(おおやぶ・もも)
踊りたい制作者。現在
schatzkammer制作、coron dance&music運営。時々わが身をもってダンスをお届けし、また時にはこうして文章を書きながら、楽しく踊れる環境の保護・育成にいそしむ。

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